【review】別人「群ようこ」のできるまで / 群ようこ (2006.9.28)

この本には群さんのデビューまでのいきさつが綴られている。
大学を卒業して就職をするあたりから
前回読んだ「午前零時の玄米パン」が発売されるまであたりだろうか。
ちょうど今の私の年ごろのお話。

群さんは広告代理店から編集プロダクションを経て本の雑誌社へ就職し、
そこへ勤めながらエッセイを書き始めて独立へと至った。

転職を6回もしたそうだが今でも多いほうにあたるのだから
群さんの20代も大変な時期だったのだろう。
そういえば大学の教授も20代には絶対に戻りたくないと言っていた。

私はこれから再就職をしないといけない身なので
こうやって本を読んだりよもやまに文章を書いたりしながら
これからの自分をデザインしていく会社に提示するために
今の自分のまとめとしてwebをde-signしているのだけれど
本当にこれでいいのかと思ったりもする。

既に出遅れている歳でもある。
やってきたことに一貫性もないような気がする。

でも他でもない私がそのときそのとき道を選んできた結果
今この時間を迎えていると思うと
物語はまさに進んでいる真っ最中で
この足で駆けずり回ってとびきり感動する話を紡ぎたいと強く思う。

このエッセイにはそういう過程が書かれていて
読んでいるとそれはどこにでも転がっている日常だと気づく。
群さんが今エッセイストとして活躍しているのは
その瞬間瞬間に燦然たる輝きを放ってスパークしてきたからに他ならない。

出し惜しむこと勿れ。












【review】午前零時の玄米パン / 群ようこ (2006.9.27)

この本は群さんのデビュー作である。
ご自身の学生時代の恋愛談や子供の頃の活発な様子が綴られたエッセイだ。

私のお気に入りは
群さんのお父様「父・タケシ」が連れてきてしまった
シェパード犬が押入れに飼われていたり
ジュウシマツたちを指にタコ糸で括りつけて
幼い群さんをおぶい散歩へ出かけていくということが書かれた段だ。

なんだろうか、群さんの文章は
淡々とした光景が浮かんできておもしろい。
そして読後の清々しさが癖になる。

今回群さんのスタートってどんなだったんだろうー?と
興味ツンツンで読み始めたのだけれど
ご自身もあとがきでおっしゃるようなテンポの差こそあれ
出版されてから22年が経つというのに内容はちっとも色褪せていない。

学生時代、万葉集の恋愛歌に込められた想いを読み解きつつ
時代を超えても人の心はそんなに変わらないのだと感じたものだが
人間が感じることはほんの数十年では変わらないと思う。

でも文面から漂わす雰囲気というものには
流行廃りのような時代がにじみ出てしまうような気がするのだ。

そう考えると群さんがデビューした当時は
こういう類のエッセイというのはどのように見られていたのか
非常に気になる。

とうとう群さんにくびったけになってしまったみたいで
その時代その時代における彼女の作品と位置づけを
もっともっと知りたくなってしまった。
それには十分といえそうな沢山の著書をまずこの期間に読破しよう。

いつの世でも愛されるエッセイ。
それは群さんの書く文章の力かもしれない。












【review】ラミーのすべて -デザインプロダクトとしての筆記具- /
「ラミーのすべて」製作プロジェクト編 (2006.9.26)


文房具が好きだ。
先日もPILOT社のTIMELINEというコンセプチュアルなボールペンを購入した。
長時間の筆記に対応できる手帳用お洒落ペンを探していたので
それに適ったものなら7000円は惜しくないと考える。

そのときに以前から買おうか迷っていたドイツのLAMY社のボールペンを見つけたので
ちょっと迷ったが一緒に買った。

迷ったのは両方とも気に入ってしまったので
実際にどちらを使うかで悩んでしまうなぁ、というところ。
どっちかを使わなかったらどうしよう!
そうやって使う機会がなくなってしまったら
文房具の価値は結構下がる。
う〜ん。

と思いつつちょっとカフェで手帳やレターパッドに書き比べをしてみたのだが
PILOTの方は油性ボールペンでよくある一般的なボールペンだ。
LAMYのは水性ローラボールなので筆跡は万年筆に似ている。

全く書き味が違うので
今回のところはPILOTは手帳・書き物用ということで携帯し
LAMYは手紙用にして家で使うことにした。
和紙なんかに書くといい味が出そうだ。
ちょっとイラストなんかも添えて。

そういうわけでいちいち文房具にこだわってしまうのだけど
その後ぶらりと本屋を「通過」したら偶然にも
ラミーのすべて -デザインプロダクトとしての筆記具- 」なる本を見つけてしまった。
これは読まないといけないと思ったので購入。
そしてまた場所を変えてカフェで書き物をしつつ読書。

この本はラミーの現行モデルやドイツ・ハイデルベルクのLAMY本社工場見学などが
メインになっている。

私はそんなに昔からLAMYが好きだったというわけではなかったが
ドイツの文房具デザインの勉強をしたいという理由で
大学受験のときにドイツ語学科も受けた。
(そこは外国語学部だったので決してデザインの勉強はできなかっただろうが…)

そのときはまだLAMYは知らなかったと思う。
専らSTAEDTLERrotringやPERIKANなどだ。
日本の文房具はなんで垢抜けないのだろう…と考えていた。

外国の文房具と日本のものを使い比べると
インクやボディなどの質は日本の文房具の方が
素人目にもいいような気がする。

最近は機能面でアピールされたものも多くなり
エルゴノミック系の文房具だって
日本のものの方がはるかにグリップ感がいいと思うのだが
なぜか洗練されていない気がしてしまう。
決してイメージだけではない何かがあるような気がする。

筆記具に限って言うと
日本語(主にひらがなや漢字)を書くこととローマ字を書くことでは
心地よいグリップやペン先などの条件が変わってくるのだろうか。
筆の運びを考えてみても日本語は筆の振りがローマ字よりも
多方向にわたっているわけで。

やはり文房具なので機能面で一定の基準をクリアしないといけないだろう。
日本語用とローマ字用の筆記具では考慮する点が違うとすれば
その基準を超えた時点で日本の筆記具の場合は
あまりデザインに選択の余地が残されていないのだろうか。

こじつけて考えてしまったが
機能が備わっていて自然に美しいもの、というデザイン性を考えたときに
日本の筆記具は弱い気がする。それは私の好みの問題なんだろうか。

これはちょっと
文房具のデザイン、日本の筆記具と海外の筆記具の違いなどについて
探ってみないといけないなぁ、と思うのである。












よもやま通信 -小ネタ盛り- (2006.9.24)

相変わらずサイトデザインと向かい合うことで
自分の中の欲求を確かめているもなみです。

早く新しいサイトにて文章を更新したいのですが
いかんせん、カタチができあがらないと何もできない。
その間にも私の頭からテキストがだらだらだらと流れ出しているのです。

ということで、なんか書きます。

最近おなかがすきます。
なんか食べたい、というよりも
おなかに何も入ってないんじゃ?という感じで
からっぽな感じなんです、おなかが。

ってこのご時世に飢餓ですか?
これって痩せた証拠なのかしらん♪とか思いつつ
罪悪感のない健康的な食欲に任せて食べ物を摂取する日々なのですが
このベクトルはどこに向かっているのかと考えると少々恐ろしいので
そぉっとものを口へ運ぶ手を休めてみたり。

ひとまずゑふやのきび餅が家にあったので
食してみたらとってもデリシャス。
うっかり3つも食べました。













そうそう、食といえば
先日、中目黒友人邸で数日間のうちに彼女の手料理を随分と食べた。
オフの間はこうやって自炊するのがいいのだとか。
さらに振舞えるなんて幸せ、とまで言ってもらって幸せな私。

それに甘えてなんのお手伝いもせず
キッチンからいい匂いが漂ってくる中
ゴロゴロして本を読んでるだけだったりして。

彼氏ってこんな感じなのかしらん、とか
一生味わうことのない感覚に浸ってみたりと随分のんきにしてました。

その中で特に気に入ったのはイエローカレー。
なんか字面にすると甘いのか辛いのかよくわからない感じがするんだけど
ココナッツミルクが入ってとってもマイルドな感じで
えーじゃないか♪えーじゃないか♪(なんだろう…このノリ)

なんでもお土産にルーをもらったとのことでお裾分けしてもらいましたよ。
そのうえ後ひいておかわりした。(食べすぎ…)
ガーリックをきかせてもおいしそう。。。
本場ものは揚げた玉ねぎやじゃがいもなんかも入れるみたいだけど
具の茄子が触感ともにグー。

おっと、その日私が「シモキタの茄子おやじのカレー食べたい!」なんて
言ったから茄子入り?愛情?(彼氏気取り)













先日のトラブルクッキングのレビューの中で
マドレーヌの話をしたら食べたくなったので焼きました。
明日はお兄様の誕生日なのでプレゼントということでひとつ。
でもまずは毒味しないといけません。
うん、懐かしい味。これこれ。

そしてやっぱりシェル型だな、と思っているのだけど
なんかもうちょっと変わった形のがほしい。
ヒトデっぽいのとか、魚の型とか。

ネットで調べれば買えるとは思うけど
なんかこういう雑貨ってウィンドウショッピングとかしてるときに
フラっと入ったお店とかで見つけたいじゃないですか。

かわいらしい製菓用品を置いてあるお店を知っている方は
是非もなみまでお知らせくださーい。

このレシピは以前から自分が使っていたものなんですが
本当は最近仕入れたやっぱり長尾智子さんのレシピで作りたかった。
そのレシピはブール・ノワゼット(はしばみ色に焦がしたバター)を入れるもので
その夢のような香ばしいマドレーヌを食べたら
3日くらいは現実逃避行へ出かけられるでしょうか。

むむ、またおなかが減ってきました。














【review】 トラブルクッキング / 群ようこ (2006.9.19)

サイトプログラミングばかりで煮詰まってしまったので気分転換にレビューを。

すっかりファンになってしまった群ようこさんの面白そうな本を
と思って購入したのがトラブルクッキング

実はもう1ヵ月近く前に読んだのだが
そのときも少々立て込んでいたのでそれはもう清々しい笑いを提供していただいた。
群さん、万歳。

この本はタイトルの通り料理があまり得意ではない群さんが
料理下手を返上すべく様々なメニューに挑戦するのだが
群さん的に思わぬところからハプニングがひょっこり。

私自身は料理が下手というほどでもないので(かといって上手くもない…)
そんなにおもしろいことは起こらないのだが
なんというか料理をしているときのちょっとした発見や驚きは
ネタにしたくなる気持ちが共感できる。

先日、長尾智子さんのレシピでアールグレイのカスタードプリンを作っているとき
焼く時にオーブンの温度が高かったのか時間が長すぎたのか
はたまた使った牛乳の乳脂肪分が高すぎたのか
鼻歌混じりにチンが鳴る少々前にオーブンを覗きに行ったところ
なんかプリンたちがすごいことになっていた。

餅か?

というくらいに表面がぷっくりまあるく膨らんでいたのだ。みんなして。
天板にお湯を張ってはいたけれどホイルをかぶせなかったからだろうか?
(書いてなかったし…。ってかかぶせるのは基本なのか?)

キャー。
慌ててオーブンから取り出したがやっぱり表面がたるんでしまった。
ココットではなくお皿にひっくり返すスタイルだったら
とっても見栄えはよかったと思うのだが。


あとは、数年前当時の彼にマドレーヌが食べたい、なんて言われたもので
ハリきってシェル型で作ってみようと思い立ち型を購入した。
ついでに生地を型に流しいれる際にスプーンでやっていたのを
絞り袋にして効率アップを狙った。

真新しい型を目の前に生地を流し入れる段階になって
勇んでその三角形の絞り袋の先をさっくり切って口金をつけたら
ちょっと切り過ぎたらしく口金に勢い良くスルー!されたりした。

そのときは笑えたりしないんだが(むしろ怒り)
そのお菓子を渡しつつそんな制作秘話(?)を披露するのも
また面白かったりするのだ。

この本はおよそ10年前に出版されたものになるので
ひそかに現在の群さんの料理の腕前が気になったりしている。
また、ちょっと変わったメニューも出てきて
レシピを思い浮かべつつ作ってみようかな、なんてわくわくしたりもする。

続編に期待。












【review】 モーテル0467 鎌倉物語 / 甘糟りり子 (2006.9.18)

「夏でも秋でもない、今。夏が終わる瞬間。
 ぼくたちの引きのばされた青春も終わったのだろうか」

こんな帯がされている湘南の物語を読みたくなったのは
0467の地に生まれて0467の地に生きている私が
夏の終わりに切なさを感じているからに他ならない。

朽ちた「モーテル0467」の看板がかかる「七里ヶ浜ホテル」
腰越の小動にあるバー「コユルギ」を舞台に
青春というには少し遅すぎる20代後半の男たちと
年代も個性も様々な女性たちの日常が織り成す長篇小説だ。

それぞれの男女が複雑に関係しあっていたりして
なかなか短調ではない物語だ。

登場する土地が私のよく知っている場所であり
登場人物も私の知り合いたちとかぶる部分があったりするので
私は十分に感情移入した。
甘糟さんの取材が気になってしまったくらいに。

私は2年前の夏から腰越のバーに通うようになった。
友人がその店に店長として勤めていたからだった。

0467は0467でも、今はもう茅ヶ崎0467の地に生きている私が(※)
偶然にも生まれた家にほど近いその腰越のバーに通いだして
いろいろな人に出逢った。

自分と同じくらいの歳の子やちょっとだけお兄さん
歳を感じさせないお姉さんや母親くらいの人。
そこに行かなければ知り合うことはなかった人たちだ。

週に数回、お店に行ってそういう人に会って楽しくお酒を飲んだり
時には一人で店長である友人と緩やかなときを楽しんだり
とっても貴重な時間を過ごした。

いつしか、その時空は私が社会で規則正しく生きていくのに
欠かせないものになっていた。

どこかで「このままではいけない」と感じてしまう感覚。

その要因はいくつかあるのだが
このちょっと背徳的な罪悪感のようなものを
この物語の主人公である「祐介」は
自分と関係がある異性との中に見つめている。

同じだった。

おそらく異性との関係のことだけがこの「祐介」の感じる
自分はいつまで経っても代わり映えしない成長を感じられない人間だ
という感覚の元ではないはずだ。

祖父の代から続くホテルを継ぐということは
それ以外の土地を知らないということであり
小さい頃から見ている光景を仕事とするということは
自分の成長が目に見えてわからないという状況の極致である。

そういう主人公が自分を投影したり
成長をしていると自覚したりするフィールドが
「恋愛」だったに違いない。


私は仕事や恋愛についてクリアしないといけない壁というのがある。
気がつかないフリをしてもしっかりと自覚してしまっているので
かなりの閉塞感を感じる。

私は自分の殻を打ち破って
外界ともっとリアルなコミュニケーションをとらなければならないのだ。

できないことではない。
きっかけがあれば意外に簡単なのだが
なんらかの状況が「保守的」に傾くと
仕事も恋愛も全てが止まってしまう。

恋愛で保守的になれば全てが守りに入り
仕事でアグレッシブになれば全てが積極的になったりと
なにか一つの状況が変われば全体がそれについていってしまう。

一度に沢山のことをやりくりできないのだ。
これが私の良い面でも悪い面でもある。

そういうわけで
恋愛の終わりと同時に転職がやってきているのかもしれない。
あくまでも結果的にだけれど。


また、この作品に漂う切なさには
単にそういう自分の今の境遇だけでなく
鎌倉という土地が感じさせるノスタルジーが含まれているのだと思う。

私はとてつもなく切ない小説を書きたいと思って
鎌倉の小高い丘の上、まさにこの小説と同じあたりを
舞台にしたことがある。

七里ヶ浜の夕映えのオレンジ色や雨の日の海の深緑色
夜の134号線が空に続いているみたいに果てしないことなど
鎌倉の海沿い、特に腰越〜七里ヶ浜の情景が
読者をセンシティブにさせると甘糟さんも感じたのだろうか。

その小説は未完のままで
私は気がつけば自分より一回りも年上のだった登場人物たちの年齢を
追い越してしまった。

書きたいと思った。

モーテル0467 鎌倉物語」は私にとって
私の一つの青春が終わった事を物語を読みきるということで具現化した、そんな小説だった。

読了後手元に残ったこの一冊は私の様々な想いがこもった
抱きしめたくなるような本になった。


※0467は鎌倉市の市外局番ですが茅ヶ崎市の市外局番も同じ0467なのです。
 それゆえに、鎌倉から茅ヶ崎へ引っ越した私は
 全国どこでも市外局番というものは0467だと思っていた時期があります。笑。












Attitude:Believe it. (2006.9.18)

細木数子の六星占術によると
今年の八月はとってもツイてる月だということで。

そうですかー、と心のどこかで八月を待ってみたりしたのだが
実際は小腹の立つことばかり起こったのだった。

ちょっとイラッとすることがちりつもでたまっちゃったみたいな。

九月に入って難を逃れたのかは謎なのだが
それらのことを友人に話してみたら
「そーね、それはきっと実は全部よかったことなんじゃない?」と。

なるほどね。
ポジティブシンキング?
ブレインストーミング?(関係ない)

ま、実際憑き物が落ちたと思えるような側面も無きにしも非ず。
肉も落ちて痩せたし。

その友人が携わった雑誌じゃないけれど
アティチュードとしては「もう“本物”しか欲しくない」という感じだ。
この「本物」っていうのは「信じられるもの(Believe it)」だそうな。

うん、信じられるものしか欲しくない!

モノ以上に大切なもの:大切な友人たちからのプレゼントに宿った信じられる気持ちが
離れているときも見守ってくれているような気がするのでした。

どうもありがとう。






































中目黒餃子部 (2006.9.17)

目黒川を少し奥に入った住宅街の一角にある友人宅で
雨音を聞きながら本を読んだ。

彼女の部屋にあった漫画に始まり
訪ねる途中で購入した小説、美術画版
彼女が携わったファッション雑誌、などなど。

彼女の留守宅で置物のようにごろりと横たわり
薄暗い空間で本を読了していく自分に
ちょっとだけエキセントリックなものを感じつつ
「なんだか、有意義」とか思ったそんな無職26歳女子。

カフェとは違って静寂に包まれての読書は
五感をフルに働かせられる分
琴線に触れるものが大きい気がする。
この感動は是非レビューで。

夕方、彼女が仕事から帰ってくると
まぁ食え、とスーパーの鳥のから揚げが振舞われ
モグモグとついばんでいると
本日は餃子を拵えるぞということになり
狂喜乱舞。

私は餃子が好きである。
正確に言うと餃子を作って並べるのが楽しい。

うちは5人家族なのだが
昔から家で餃子を作る際は100個作る。
もちろん一気には食べきれず冷凍したりするのだが、

その餃子が100個陳列された圧巻のスペクタクルに
和菓子屋の工房でできたての大福が
木枠にぎっしり並んでいる様を重ね合わせては
ワクワクとした。

または、パティシエが切り分けたての
ベリー、ピーチ、マスカットなどがトッピングされた真っ白なケーキが
何十個とケースに陳列される様と重ねてはウットリしていた。

要は、同じものが数十個単位で並んでいると
自分がその道のプロにでもなったような気がして
とっても満足なのだ。

私がわ〜いわ〜いと喜んでいる隙にも
友人は手早く準備を始めた。
今回は、ノーマル餃子に加えて
キムチ餃子・しそ餃子を作ることになった。

私は餃子包みからお手伝い。
うちのはこんなかんじ、なんて言いつつ
お互いの家流の包み方を披露。
ちょっとした違いがあって面白い。

雑談をしつつ餃子にギャザーを寄せていると
そういえば、今日時間がありそうな人がいるねと
都内在住の彼が思い浮かぶ。

彼の彼女は先月末から長期の海外滞在となり
今日みたいな休みの日はもしかしたら持て余しているかもしれないと
早速餃子部の案内をしてみると、入部希望。

ということで中目黒女子餃子部から中目黒餃子部へ改名し
彼の到着を待って、いざ皿に並ぶ焼かれ待ちのぷっくり餃子を
オン・ザ・ホットプレート。

じゅー。じゅー。
キュルキュルキュル。

なんかおいしそうな音がしている。
目標は羽根つき餃子だったのだが
ホットプレートではやや難しく
3人でつつく餃子鍋的スタイルに変更。
これはこれでおいしかった。

久々の再会とあっていろいろな話にも花が咲き
とてもいい部活だと思った。
きっと餃子もそれぞれのおなかの中で本望に思っているに違いない。












本能的に好きな時空を求めた結果、今は東京。 (2006.9.16)

東京にいたかった。

理由は沢山あるのだけど
要はこれからのことを考えて
同時に今までのことを
整理したかったのだと思う。

気になっていた本を買って彼女の家に行った。
気の置けない友人。
vagueにしても彼女にしても
本当にいい友達ばかりで仲良くしているが
私は壁を作ってしまいがちだ。

みなそれも含めて理解してくれて
徐々に距離をつめてつきあっていてくれているのだが
彼女に関しては、過去に2週間同じ部屋で生活してから
一気に何かを乗り越えてしまった感じがする。

一番近いところで言うと「家族」のようなものだろう。
お互いをよく理解して大好きでつきあっているのだけど
あんまり客観的に見られない部分もある。
お互いわがままが言えるのだ。

ときにムカッとかきていることもあるかもしれないけど
それがなんだ?という感じ。

家族がそうであるように、いくら怒ったりしても
怒りが静まればどうでもよくなってしまうわけで
壊れたりはしないという安心感がある。

数ヶ月ぶりの再会で
まずはお互いの近況報告。

彼女とはあらかた面白おかしくでいい。
時折、ユースケサンタマリアのマネとかを織り交ぜつつ。

それでもちゃんと彼女と私の心のファイルには
大体過不足なくお互いの過去を整理できる。
身体で覚えた距離感とでも言っておこうか。

そんな時間のお供には、彼女特製のキムチ焼きそば。
美味。


















ほんの片手で抱きしめられるような
紙にインクが印刷されたその束が愛しくて仕方ない。
(2006.9.16)


私は今前回のレビューにも書いた松浦さんの読書がそうであったように
本を読むことに助けられている。

この重要な時期に多くの本に出逢い
本というものの位置を自分の中で考えてみたところ
とっても大きなキーを握っていることに気がついた。

私はこうやってWEB上に文章を残してきたが
その行為にちょっとだけ物足りないと感じることがある。
それはその作品を手に取ることができないということだ。

本は現実に形があって、手に取ってページをめくることができる。
WEBは目には見えるけれど形の無いデータである。
印刷をすれば紙にはなるが、それではWebではなくなる。

もちろん、個人には自分の他愛もない文章を
出版するほどのお金はかけられないわけで
個人が手軽に文章を発信できるツールとしてWEBの可能性が生きたと。

それぞれの良さがあるのであって
あくまでも私はそういうWEBの良さの中で文章を発信している。

だから自分の本を出版したいというのとは少し違うが
とにもかくにも「本」という形のビジュアルが私は好きだ。
なにか、この周辺に見えてこないだろうか・・・。

こんなことを中目黒の「COW BOOKS」を横切りつつ思った。












何かで恩返しができればいいなと鶴の背中を思い浮かべつつ。
(2006.9.16)


世間的に3連休という週末に大好きな人たちに会えた。
地元ではフラダンス帰りのvagueとランチ。

彼女と時間を共にしていると
日向でふわっふわのおなかを撫でられている猫のような気分になる。
ぽかぽかしていて気持ちいい。
ごろごろ。

人と一緒にいるというのはこれでいいのだな、という気がさせられる。
感じたままで良いんだな。

無理矢理に「一緒」にいる必要はなくって。
そこに心の準備はいらなくって。
だからどんなに仲のいい人だって
ときにはアラ?と感じることだってあって。

当たり前のことだが実はその現実を受け入れられていなかった私は
常に人と会う時間はエンターテイメントだったのだと思う。
もしかしたら相手の気持ちだってその方向へ捻じ曲げて
無理をさせていたかもしれない。

そのときそのときの気持ちをしっかり感じて
「平然」を繕わないことを意識しよう。

そしてありのままでいいじゃない、と全てを受け入れてくれる彼女は
私の悲しみも共感してくれた。
これって難しいことだ。

喜びを共感するのは大抵の人とできるのだけれど
悲しみをそのまま共感することは本当に近い距離の人でないと難しい。

私が感じた怒りや悲しみを自分のことのように感じてくれて
穏やかに私の話を聞いてくれたことが
私はすごく嬉しかったし、安心した。

信頼関係ってこういうものなんだろう。
彼女には教わることばかりだ。












【review】 くちぶえカタログ / 松浦弥太郎 (2006.9.14)

今回は「独白ニュースレター」の著者でもある松浦さんの
くちぶえカタログ」を読んだ。

松浦さんについては「独白ニュースレター」以外では
雑誌でリコメンドを書かれているのをたまに見かけてはいたが
詳しくは知らなかった。

独白ニュースレター」を読んで
とにかくその文体が穏やかで優しさに満ちている方だなと思って
もっともっと松浦さんのことを知りたくなってしまった。

前回にも書いているが、松浦さんは中目黒にある古書店「COW BOOKS」の代表で
雑誌や本の執筆や編集など、幅広く活躍中されている。

松浦さんは若い頃アメリカで見つけた
思い入れのある本たちを日本に持ち帰り、路上で売ったという。
ご自身がそうであったように、それらの本が多くの人々の手に渡り
彼らを照らし、多くを実らせるようにと祈りながら。


本書は、モノとの付き合い方を考えた結果
モノを所有することが豊かさのしるしではなく
モノを必要としない暮らしこそが豊かさの象徴だと捉えた松浦さんが
これまで手に取ってきたものを取り上げ
それらにまつわる様々な思いを写真とともに綴っているエッセイだ。

私はそういうスタイルが大好きだ。

自分を構成してきた過去の事実と感情を
その時々のシーンやモノをクローズアップすることで表現する。

視覚や嗅覚に懐かしいものを感じると
そのときのことを鮮明に思い出すことは
誰にでもあることだと思う。

なので、そのような文章や作品を見たときに
自分にもある大切な感情を思い起こすことがあると思う。

読者に呼び覚まされたそれぞれの回顧-retrospection-は
その作品の一部となる。

これは時空を越えたインスタレーションのようなものであって
作り手と受け手の境を取り払う行為だ。

そういう創作活動はもはやコミュニケーションだと思う。
それはまさにこのcalmeMMJの一側面でもある。

そんな「君にも大切なものあるでしょ?」という呼びかけを感じるのが
くちぶえカタログ」であり、松浦弥太郎さんの文章の根底にあるものなのだと思う。












実は4月からリニューアルの途中でした。 (2006.9.12)

そう、このページのタイトルにもあるように
ここは今リニューアル中なのだ。

春ごろに影響を受けたものが沢山あり
そこに向かってリニューアルを決意したのだが
恐ろしく忙しかったため
ひとまず、テキストのみは更新ができるように
このデザインにしておいた。

予想通り、気がつけばそれから半年経ってしまったのだ。

本来ははもう少しWebらしいものを作る予定だ。
今は全くの静的構成で、すごく好みではあるのだが
印刷物ではないのだから動いてはいけないことはないのであって。

ならば、動かしてみようじゃないか、というWebだからこその発想で
もう少しナビゲーションや構成に凝ってみようかと思うのだ。
そして、写真を見せるコンテンツ向けの構成にしていきたい。

本当はFlashとか好きじゃないし使いたくないのだが
なんとなく「ものたりない」と感じる。

今のWebってどうなってるんだろう、とちょっとだけドキドキしながら
情報収集するのがなんだかおかしくてちょっと幸せな気分です。












夜遊びは蜜の味。 (2006.9.10)

深夜2時。
まだまだ明かりの消える気配のない自室に
携帯の着信音が響いた。

最近、会えばよく話をする
一つ年上の知り合いからだった。

「なんか食いに行きませんか?」
絶対起きてると思って、アハハ、と彼は笑った。

いつか、ゴハンでも食べに行こうとは言っていたが
こんな時間に女性を呼び出す男性はどうなんだろう…、
なんて考える間もなく「いく〜♪」と返事をして
タクシーを呼んだ。

私は夜出かけるのが好きだ。
深夜からでなくても夜ゴハンを食べて
そのままゆっくり、という具合に朝まで遊んでしまうこともある。

別に昼間に遊ぶのもいいのだが
夜は夜でお店なんかも暗くて静かで落ち着く。

基本的に夜家にいると寝ていないので
それを察している人たちは
眠れない時、おなかがすいた時、つまらなくなった時などに
私を呼ぶ。

今でこそ会社勤めではないが
会社に勤めていた頃だって
あんまりみな気にせず声をかけてきていた気がする。

でも、私はなんでも夜が好きなので
そんな時間帯に誰かに会って
おしゃべりできるなんて素敵なのだ。

だから都合のいいときばかりなによ!とか腹が立ったりはしない。
言ってしまえばこちらも誰でもいいという側面はあるだろうし。

また、夜に限らず、友人からの誘いは
できるだけ断らないようにしている。

人と一緒に過ごす時間の中には
自分ひとりでは生まれないものが沢山ある。

それに、人を必要とするときには何らかの理由があるのだ。
相手が誰でも良かったとしても
そこに見過ごしてはいけない何かがあるかもしれないから
会っておきたい。

ただ、そういうのもあまり理解されないことでもあって
ほどほどにしないといけないんだろうとは思う。
夜遊びも、そのスタンスも。

だから蜜の味なのだろうか。
イケナイことなんてこれっぽちもないのだが。












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